楽しいことがありそうな予感がする日は香水をつける。
香水は良い記憶も悪い記憶も閉じ込めてしまうから、嫌なことが起きそうな日はつけないようにしている。
世界が白黒だった時に使っていた香水はもう蓋も開けれない。匂いを嗅いでしまった暁には、嫌な記憶が広がる。10年前はいい香りだった香水がこんなにも嫌いな匂いになるなんてね。
私が見る世界は一生白黒なんだと思ってた当時の感情はあの頃に使っていた香水を香れば思い出す。あまりにも鮮明に、見たくない部分まで、脳内で再現される。甘い香りとは裏腹に心を蝕むような苦い記憶を。
香りは感情を乗せることができて、記憶も保存することができて、自分の好きなように香水を作り変えることができるんだろう。
苦い記憶を多く入れたらそれはいい香りにはならないし、甘い記憶を入れたらとてもいい香りになる。配分次第で香水の価値も変わってくる。
そんなことを学んだのがつい最近で、学んだからには生かさないといけないから、楽しいことが起きそうな日には必ずお気に入りの香水をつけるの。その香水が永遠に甘い香りでいてくれるように。